安易なカロリー制限による減量は骨密度が減少する

私たちが健康を維持しながら、肥満にならないようにするには、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回らないようにすることがひとつのポイントです。一人ひとりに、必要なエネルギーは、性別・体重・運動量・年齢・職業などによって異なりますが、過度なダイエットで異常なカロリー制限を続けていると体のバランスを崩してしまうことは容易に想像できます。

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食事制限よりも運動することが健康的な減量方法


閉経後の女性の超低カロリーダイエットは骨粗しょう症へまっしぐら


2006年12月の米国ワシントン大は、「運動による減量では、骨の硬さを示す骨密度が保たれたが、食事のカロリー制限による減量では骨密度が減少した」と発表しました。カロリー、食事を制限するということは、体にとって必要な栄養素(この場合はカルシウム)も不足するのは、当然といえば当然の話かもしれませんが、今回の研究により、それが証明された形になりました。


ご存知のように骨の成分は、カルシウムやリンなどのミネラル(「骨塩」といいます)や、たんぱく質などです。一般的に「骨量」といわれるのは、ミネラルの量やその密度(「骨密度」といいます)のことです。骨は、脳や肺などの臓器を保護したり、からだを支えたりする仕事のほか、カルシウムを貯蔵するという大切な役割を担っています。


この研究では、平均年齢が57歳の男女48人について、食事のカロリーを最初の3ヶ月は16%、続く9ヶ月を20%減らしたグループと、従来と同じカロリーの食事を取るのですが、運動によってエネルギー消費量を最初の3ヶ月は16%、続く9ヶ月は20%増やしたグループ、従来の生活習慣を維持したグループの三つのグループに分け、1年後に体重と骨密度を測定したというものです。


その結果、食事でカロリーを減らしたグループでは、体重が平均8.2キロ減り、骨密度も2%減少してしまいました。かたや、運動をしてカロリーを消費したグループは、体重が平均6.7キロ減ったのですが、骨密度に変化はありませんでした。また、生活習慣を維持したグループは、体重も骨密度もほとんど変化はなかったといいます。


私たちの体の血液中のカルシウム濃度は、常に一定に保たれています。食事からのカルシウム摂取が不足して、血液中の濃度が低くなると、骨に貯蔵されているカルシウムで補填しようという作用が働き、骨が溶けだして、骨量が減っていくのです。骨からカルシウムが溶け出していくと、骨がスカスカになって、弱くもろくなり、すぐに骨折しやすくなります。これが、いわゆる「骨粗しょう症」といわれる病気です。


歳をとってくると、ただでさえ腸でのカルシウムの吸収力が衰えるため、カルシウムが不足しがちになります。特に、女性はもともと男性にくらべて骨の量が少なく、閉経後には、骨量を保つ働きをしてきた「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌が減少するため、中高年以降の女性は骨粗しょう症になりやすいといわれています。


冒頭にもご案内しましたが、肥満を防止するためには、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回らないようにすることです。中高年になってからの、安易で過度な異常低カロリーのダイエットは、骨粗しょう症の危険性が高まるので、十分に気をつけなければなりません。ご自分の周りに、このような無理なダイエットをしている方がいらっしゃったら、一刻も早く「骨がスカスカになっちゃうよ!」と教えてあげてください。

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2007年01月08日 14:45