糖尿病と中性脂肪は密接な関係

血液中の糖の濃度(これを血糖値といいます。)が高い状態を「高血糖」といいます。その血糖値が基準値(空腹時血糖値126mg/dl未満)よりも高い場合に、「糖尿病」と判定されます。「糖と脂肪は全く別のもの、関係はない。」と思いがちですが、私たちの体の中では、密接に関係しあっているのです。

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「糖」と「脂肪」の悪循環サイクル


脂肪がからむのは2型糖尿病


糖尿病には、大きく分けて2種類あります。ひとつは1型糖尿病といい、何らかの原因によって膵臓からインスリンが全く分泌されなくなってしまうタイプです。もうひとつは、遺伝や生活習慣が原因でインスリン障害を引き起こす2型糖尿病というものです。糖尿病全体の95%は2型であり、脂肪が関係しているのも2型糖尿病なのです。






内臓脂肪が血糖値を上げるメカニズム


血液中の糖は、膵臓から分泌されるインスリンによって、筋肉などの全身の組織に取り入れられ、エネルギーとして使われます。このインスリンに問題が発生すれば、血液中の糖は利用されなくなり、血液中をさまよい、「糖尿病」になってしまうのです。


そのインスリンの働きを活性化している(元気にしている。)のが、実は脂肪細胞から分泌される「アディポネクチン」という物質なのです。(参考記事:アディポサイトカインとは?


糖の原料になるのは、これも脂肪細胞が分解されてできた「グリセロール」です。グリセロールは肝臓で糖に作り変えられて、血液中に送られます。内臓脂肪が溜まると、肝臓に送られるこのグリセロールが増えるので、血液中の糖が増えてしまうのです。


もっと大変なのは、内臓脂肪が過剰に溜まると、インスリンを活性化するはずの「アディポネクチン」の分泌が減ってしまうのです。するとインスリンの元気(働きが低下。)がなくなり、糖をうまく処理できなくなります。(この状態を「インスリン抵抗性」といいます。)また、内臓脂肪の多い場合だけではなく、高中性脂肪血症でもインスリン抵抗性は出現します。


この「糖が増える」、そして「インスリンの働きが低下する」ことのダブルパンチで血糖値がみるみる上昇してしまうのです。






インスリン抵抗性により中性脂肪が上昇


今度はインスリン抵抗性があると、筋肉組織ではリポたんぱくリパーゼの活性が抑制されて、VLDL(超低比重リポたんぱく)からHDLコレステロールへの移行がうまくいかなくなり、HDLが低下して、中性脂肪が増加します。






高インスリン血症でも中性脂肪が上昇


インスリン抵抗性の状態が続くと、まだ膵臓のインスリン分泌能が活発なうち(但し、インスリン自体は元気がない。)は、何とか血糖値を下げようと、一生懸命インスリンを多く分泌しようとします。この元気のないインスリンが血液中にあふれた状態を高インスリン血症といいます。高インスリン血症の場合は、肝臓での中性脂肪の合成を促進してしまうため、中性脂肪の増加を引き起こしてしまうのです。


「卵が先か、にわとりが先か」、良く分からなくなってしまうのですが、いずれにしても中性脂肪とインスリン抵抗性は、お互いに悪循環のサイクルを回している事になるのです。


生活習慣の改善により、内臓脂肪が解消されてくると、前述のインスリンを活性化する「アディポネクチン」の分泌が増えてきます。また、同じアディポサイトカインの仲間であり悪玉の「PAI−1」の分泌が減り、血栓が出来にくくなります。内臓脂肪を減らすことは糖尿病だけではなく、血栓を予防して動脈硬化をも防ぐ事ができるのです。






糖尿病は、実は合併症が怖い


糖尿病は別名「血管病」と言われるように血管に対して激しいダメージを与え、深刻な合併症を引き起こすことが特徴なのです。3大合併症をご案内しておきます。


糖尿病性網膜症:目の毛細血管が破壊されて、最悪の場合は失明に至ります。

糖尿病性腎症:腎臓機能に障害をきたし、透析が必要になってしまいます。

糖尿病性神経障害:神経につながる血管が破壊され、様々な神経障害を引き起こす。


これらの合併症はすべて、細い血管の部位で障害が発生しています。しかしながら同様に太い血管で障害が発生した場合は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことになるのです。


「喉が良く渇く」、「おしっこの量や回数が増える」、「甘いものが食べたくなる」、「手足がしびれる」、「性欲がなくなる」、「目がかすむ」などは糖尿病の代表的な症状ですので要注意です。

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2006年02月02日 19:57