アガリクスに発がん性?がんにいいんじゃなかったの?

アガリクスを原料とする健康食品「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」に、発がんを促進する作用があることが、国立医薬品食品衛生研究所の毒性試験(動物実験)で確認されました。それを受けて厚生労働省は発売元のキリンウェルフーズ社(あのキリンビール100%出資の子会社)に対し、自主的な販売停止と商品の回収を要請したというものです。

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アガリクスはなぜ医薬品ではなかったのか?


高額な健康食品なのに科学的根拠が少ない


アガリクスはカワリハラタケ(別名ヒメマツタケ、学名Agaricus blazai Murrill)と呼ばれる、ハラタケ科に属するブラジル原産のキノコの一種です。そのまま乾燥した製品や菌糸の状態で培養した製品、他の成分を添加した製品とさまざまな形で流通しており、市場価格は1万円から10万円で、私が知るに「最も高い健康食品」として販売されています。市場規模は約350億円ともいわれており、現在の市場は横ばいで推移している健康食品でした。


今回の毒性試験は、5週齢(生後5週間)の雄ラット(ネズミの1種)にがんになるような細工をした上で、摂取目安量の5〜10倍(人間に換算すると平均6.9倍〜23.2倍)の製品を投与したところ、腎臓や甲状腺などで腫瘍性病変の増加を確認したというものです。厚労省は、学術雑誌で肝障害を起こす疑いが報告されていたことなどから流通量が多く、製造方法が異なる3社の製品を抽出して試験を実施しました。


3社の製品とは、「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」(キリンウェルフーズ社、乾燥製品)・「仙生露顆粒ゴールド」(SSI社、混合製品)・「アガリクスK2ABPC顆粒」(サンヘルス社、菌糸培養)。キリンは中国産の原料を使用していた模様です。現在までの中間報告で「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」が“クロ”と出て、他の2製品は現在では、問題は出ていないが最終結果を待っている状態だといいます。


アガリクスは「抗がん効果がある」、「免疫力を高める」として、一般には、知られていますが、厚労省はヒトに対する有効性は、確認していません。また、私も抗がん作用を検討した基礎研究(試験管内・動物実験等)のメーカーの資料はよく見るのですが、「ヒトのがんに効く」という臨床データは見たことがありません。


アガリクスの有効成分としてβ−D−グルカン(多糖類)やステロイド類が確認されていますが、クレスチンなどのキノコ由来の抗がん剤が、すでに医療用医薬品として、日々繁用されている中で、アガリクスが医薬品でないのは、何故なのでしょうか。


数年前に、私の恩師が大腸がんの告知を受け、長期にわたり入院闘病生活を強いられていたところ、奥様から「アガリクスを安価で調達してほしい。」と頼まれました。当時はちょっとしたアガリクスブームで、その奥様は何かの団体に洗脳されていて、私の言う事に耳を貸しませんでした。どうせ買うなら、少しでも安くと、数回にわたり、指定された製品を合計20万円程度買ってあげた事がありました。しかしながら、その恩師は、しばらくして、残念ながら他界いたしました。今思えば、20万円もあれば、余命の中でやれることがあったのでは?と自虐しています。


厚労省は、アガリクス製品に関する相談専用電話<03(5253)1111、内線(4261〜4263)>を開設しています。また厚労省のホームページにQ&Aが掲載されています。キリンウェルフーズ社へのご相談はフリーダイヤル0120(033)827(午前9時−午後7時)で、今週は週末も受け付けているそうです。

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2006年02月15日 19:33