LDLは本当に悪玉か?少な過ぎると死亡率が上昇

脳卒中や心筋梗塞の危険性を高める、いわゆる「悪玉」とされている「LDLコレステロール」が、実は「低すぎる」と死亡率が逆に高まるという調査結果が報告されました。「LDLコレステロール」は、低いほど良いという常識は間違っていたのでしょうか?

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低すぎると死亡率が男性で1.6倍、女性で1.3倍


LDLコレステロールも「下げること」が一番ではない?


今回の調査は、神奈川県で1987年から2006年にかけて、2回以上健診を受けた、約2万6000人を平均約8年もの長い間、追跡したものです。


LDLコレステロール値ごとに7つのレベルに分けて、死亡率や死因との関係を調べました。


その結果、「総死亡率」(全死因合計)でみると、男女とも、最もLDLコレステロール値が低い群(血液1dl中79mg以下)で、一番死亡率が高いという驚くべき結果となりました。


男性では死亡率が最も低い群(血液1dl中140〜159mg)の約1・6倍の高さに、女性でも死亡率が最も低い群(血液1dl中120〜139mg)の約1・3倍の高さになりました。


脳卒中や心筋梗塞など心血管疾患による死亡率に限ると、男性では血液1dl中180mg以上になると、さすがに死亡率が上昇したといいます。(女性はほとんど関係なかった)


結論として、男女ともLDLコレステロール値が低いと、がんや呼吸器疾患による死亡が増え、全体の死亡率が高くなる結果となりました。


動脈硬化の危険性を考えるときに、一番重要なのが「中性脂肪」、次に「HDLコレステロール」、次に「LDLコレステロール」となりますが、メタボリックシンドロームの特定健診の基準では、LDLコレステロール値が120mg以上の人は一方的に「下げること」をすすめています。


冷静に考えれば、「コレステロール」は、人体にとって必須の物質であることは間違いありません。適切な範囲にあるLDLコレステロール値を、下げ過ぎると免疫機能などに影響を及ぼす可能性があるのでしょう。


今回の調査を報告した識者は、LDLコレステロール値の適正範囲を「男性100mg〜180mg、女性120mg以上」と提言しています。


2008年4月から始まる特定健診・保健指導では、LDLコレステロール値120mg以下がメタボリックシンドロームか否かを判断する基準の一つになっているので、今後「一方的に下げる」という是非が議論されることになるでしょう。


【参考記事】
コレステロールは低いと「がん」の危険性が高まる?
高コレステロール血症の診断基準が変更になる?
動脈硬化の真犯人はコレステロール?
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2008年04月06日 08:37