総コレステロール値が低いと死亡の危険が高まる?
2008年4月から始まる特定健診・保健指導での、健診項目に「総コレステロール」が抜けていますが、ここにきて「総コレステロール値があまり低いと死亡の危険がかえって高まる」とする調査結果が報告されました。
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●コレステロールは人体にとって必須の物質、大切な栄養素の一つ
今回の調査は、国内で1995年以降に発表された5000人以上を5年以上追跡した5つの疫学調査結果(対象者数延べなんと!約17万4000人)を再度分析したものです。
男女ともに、最も人数が多かった血中総コレステロール値(160〜199mg/dl)を基準として死亡の危険性を比較しました。
その結果、男性は160mg/dl未満だと死亡の危険が1.6倍高く、200mg/dl以上では0.8倍程度と、「総コレステロール値が高いほど危険が低くなる」という驚くべき結果だったといいます。
また、女性でも160mg/dl未満は1.4倍と死亡の危険が高かったのですが、160mg/dl以上は、240mg/dlを超えても差は出なかったといいます。
狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な病気を招く「高脂血症」の診断基準には、従来から総コレステロール値が使われていました。日本動脈硬化学会が策定している現在のガイドラインでも、血液1dlあたり220mg/dl以上を「高コレステロール血症」とし、心筋梗塞などを防ぐには220mg/dl未満に抑えるよう求めてきました。
ところが、「高コレステロール血症」の中でも、善玉といわれるHDLコレステロールが多い場合には、悪玉のLDLコレステロールは通常より低くなり、動脈硬化などの病気につながりにくいことが最近の常識になってきています。
いままでは、「総コレステロール値が高いのは良くないこと」として、下げるための治療が広く行われています。つまり、コレステロールを下げる必要のない人まで薬を飲まされていたのかもしれません。
日本動脈硬化学会でも、心筋梗塞など動脈硬化性疾患の予防や治療の指標から従来の「総コレステロール」をはずし、代わりに「悪玉コレステロール」のLDLコレステロールなどを診断基準とする新しい診療ガイドラインを策定しています。ちなみに、今後の高コレステロール血症は「LDLコレステロール140mg/dl以上」になる模様です。
メタボリックシンドロームの診断基準としての脂質関連では中性脂肪(TG)値:150mg/dL以上、HDLコレステロール値:40mg/dL未満とされています。
2008年4月から始まる特定健診・保健指導では、LDLコレステロール値120mg以下がメタボリックシンドロームか否かを判断する基準の一つになっています。
コレステロールに関してはさまざまな検査数値が使われていて、少し混乱をしているような気がします。
コレステロールは、人体にとって必須の物質であることは間違いありませんし、特に総コレステロール値はその人の「栄養状態の指標」と考えるべきと識者は提言しています。
【参考記事】
コレステロールは低いと「がん」の危険性が高まる?
高コレステロール血症の診断基準が変更になる?
動脈硬化の真犯人はコレステロール?
コレステロールの多い食品ベスト10
コレステロールはどこに溜まるの?
2008年04月06日 10:44



